カエルの子はカエル🐸 3
突然の父の登場に、顔が引きつりました。
父と母が何か話しをしていましたが、わたしは父と会話はしませんでした。
F県の小学校へ通うようになったわたしは、とりあえずは普通に学校へ通いました。家にいてもご飯もろくに食べさせてもらえず、学校の方が給食があるから
少しはお腹が満たされたので‥
当時、朝ご飯や夜ご飯を家で食べた記憶がわたしの中にはあまりありません。今現在わたしが存在してるので、何かは食べていたんだと思います。お風呂も入っていたのかもわかりません。兄、姉達が学校へ通っていたのかも記憶にありません。
新しい小学校生活に慣れてきた頃、学校帰りに友達の家に招待されました。
わたしは
すぐに行く‼︎
と返事をしました。
友達の家へ行くと、優しそうな母親がジュースやおやつをテーブルに並べてくれて
「食べてね」
と言い残し静かに襖をしめました。家ではでないジュースやお菓子に唾を飲み込んだわたしの記憶が鮮明に残っています。
美味しいおやつにひと時の幸福感。充実していると、ある空間を指差して友達がわたしに言いました。
「なぁなぁ
これ何かわかる?」
「わからない」
「サウナやでー」
「サウナって何?」
「汗かくみたいなお風呂」
「へぇー
入りたいなー」
「ダメダメ‼︎お父さんに叱られるー‼︎
だって10万すんでー‼︎」
わたしは10万の額が分からず
「へぇー」
と返しました。当時の10万はかなりの額だったと思います。友達は貧乏なわたしにただ自慢したかっただけなんです。今思えば‥‥
その友達の父親がヤクザだと後で知り、わたしもヤクザくらいはわかる年齢だったので
喋る回数を減らして、気がつけばその子は学校へ来なくなりました。貧乏人はお金持ちからしてみれば、お金がありますアピールをしたいんですね。